
こんにちは、九十九すいです!今回はNFTの種類と、その中でも特に重要なフルオンチェーンNFTについて紹介してもらうよ!
この記事はこんな悩みを持った方におすすめです。
「フルオンチェーン…?」
「NFTに種類があるなんて知らない」
「どの種類のNFTがおすすめ?」
結論から手短にお伝えします!
フルオンチェーンNFTとは、ブロックチェーン上にデータがすべて記入されている最も永続性と純度の高いNFTです。
そもそもNFTとはノンファンジブルトークンの略であり、デジタルデータの唯一性の証明書のようなものです。
LINEやメルカリもNFTに参入しており、経済的にも大きく注目されているNFTです。
突然ですが、形あるものはいつかは崩れ、永遠に同じ状態で残ることはありません。
執筆者情報

- Webクリエイター& web3ブロガー
- 元Webインストラクター(企業 / 個人)
- NFTコミュニティ所属

京都の清水寺、ルーブル美術館のモナ・リザなどは、世の中に生まれた時そのままの新品の姿で今もあるわけではないです…
修繕や修復を繰り返しており、今の形で私たちを楽しませてくれていますが、未来永劫に渡って残すことはできないのが世の摂理でした。
しかし、今の時代にはクリエイターやアーティストから生み出される、数多くのデジタル作品に永続性を与えられる可能性が登場しています。
それが、フルオンチェーンNFTです!

イッツ・ショータイム!


フルオンチェーンNFTを発行・取引する際に仮想通貨が必要になることがあります。
初めての仮想通貨には、サービスが豊富なコインチェックがおすすめです。
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フルオンチェーンNFT
仕組み
実はNFTは大きく分けて2つあります(大分類)
さらに言えば、NFTを発行できる仮想通貨やプロジェクトごとに種類がさらに分かれていることは知っていましたか。
- フルオンチェーンNFT
- それ以外のNFT
NFTはその仕組みからブロックチェーン上にすべてのデータがあると思いがちです。
しかし実際には、多くのNFTがブロックチェーン上にデータに結びつく”情報を記録している”だけです。
下図にあるように、ブロックチェーンにすべてのデータがあるNFTをフルオンチェーンNFT、それ以外のNFTはオフチェーンNFTとして分けられています。


例えば、OpenSeaで取り扱われているNFTであっても多くは上図の右側のそれ以外のNFT(以下、オフチェーンNFT)です。
データについての情報という意味があり、NFTであれば、そのNFTの名前、説明、データ(画像や動画など)等のデータの情報のことを指します。
ざっくりと、フルオンチェーンNFTとオフチェーンNFTについて違いを見ていきます。
フルオンチェーン | オフチェーン | |
---|---|---|
データの改竄 | かなり難しい | 比較的容易 |
扱えるデータ | 約48kb(イーサリアム) | 利用する保管方法による |
永続性 | かなり高い | 保管場所・方法によるが低い |

フルオンチェーンは容量が少ないですが、他のメリットが大きいですね!
扱えるデータには約48kb制限がありますが、フルオンチェーンにできるならばフルオンチェーンNFTにした方がメリットは高いことが分かります。
フルオンチェーンNFT:メリット
NFTをフルオンチェーンNFTとして発行するメリットについて掘り下げていきます。
NFTが永続的に残る
NFTを説明する際にブロックチェーンであるから、永続的に残るという謳い文句があります。
しかし、世の中に出回っている多くのオフチェーンNFTはサーバーに作品が保管されているので上記には該当しませんでした。
フルオンチェーンNFTであれば、永続的に残る可能性がかなり高くなります。
ブロックチェーンとは、簡単に説明すると世界中のパソコンにデータを分散させてデータを取り扱おうというものです。

サーバー1つと世界中の不特定多数のパソコンに保管されたデータならどちらが長く保管できるのか、言うまでもないねぇ。
フルオンチェーンNFTは、永続性やデータの改竄の難しさから見ても頭一つ優れています。
付加価値が上がる
フルオンチェーンNFTには、永続性やデータの改竄の難しさが備わっているため、オフチェーンNFTより付加価値が上がります。
上記以外の要因としては、フルオンチェーンNFTを発行するには専門的な技術力や高価なガス代(ブロックチェーンを使用する手数料)が必要になります。
そのため、フルオンチェーンNFTを発行すること自体に高いハードルがあり、付加価値に繋がります。

同じ作品をNFTとして発行するなら、フルオンチェーンNFTの方が絶対に価値は高いね!
フルオンチェーンNFT:デメリット
扱えるデータサイズが小さい
2022年5月現在では、イーサリアムブロックチェーンに一度に書き込めるサイズの上限は約48kbとかなり小さいデータ量となっています。

スマホの画像データでも数Mb以上はあります!!
ちなみに、48kbという容量は、日本語に換算すると約2.5万文字のデータしか保存できません。
一見多そうに見えますが、短編小説が約3.2万〜6.5万文字とされていますので、短編小説すら扱えないくらいのデータ量になります。
ですので、写真やイラスト、動画などは余程データを小さくする処理をしなければフルオンチェーンNFTにはできません。
有名なNFT作品には、ドット絵を採用しているものが度々見られます。
その理由は、48kbという少ないデータサイズでもドット絵であれば、アート作品として扱えることがあるからです。

上図は、Nouns(ナウンズ)と呼ばれているフルオンチェーンNFTです。
詳しい説明は割愛させてもらいますが、フルオンチェーンNFTとするためにデータサイズを小さくする処理をしています。
専門的な技術力が必要
フルオンチェーンNFTは、扱えるデータサイズがとても小さいことに加え、ブロックチェーンについて専門的な技術力も必要になります。
OpenSeaなどのNFTプラットフォームを利用してNFTを発行する場合には、多少専門的な知識(仮想通貨の取扱方法やガス代など)は必要ですが、概ねネット上で商品を販売するのと同じ様にNFTに関する情報を登録していくだけで発行ができます。
しかし、フルオンチェーンNFTを発行しようとするとなると話が違ってきます。
現状では、フルオンチェーンNFTをNFTプラットフォームで発行するサービスはおそらくありません。
ブロックチェーンに直接データを書き込む必要があります。
かなり端折った説明をすると、プログラミングをしなくてはなりません。

プログラミングですか?!

いざ、ブロックチェーンに書き込む時には、ガス代(手数料)がかかるから、その辺の知識もないとね!
フルオンチェーンNFT実例
では、フルオンチェーンに該当するNFTにはどんな作品があるのかを紹介します。
CryptoPunks(クリプトパンクス)
テックモワでも何度か紹介させてもらっている、人の顔のドット絵アートNFTです。
最古のNFTであり、かつ、フルオンチェーンNFTでもあります。
大手カード決済会社Visaは上記NFTを約1,700万円で購入しています。

フルオンチェーンNFTだからこそ、カード決済会社VISAも価値を認めたのかもしれないね。
オリジナル・オタクコインNFT
上図NFTは一般財団法人オタクコイン協会が発行するフルオンチェーンNFTになります。
新しい経済民主化の仕組みであるブロックチェーン技術を用いたオタクコインを活用して、世界中のファンとクリエイターと関連企業をシームレスかつ密接に繋げ、オタク文化(アニメ・漫画・ゲームなどのコンテンツや、それを中心にした創作・コミュニティ活動、付帯する活動などすべて)の維持・発展に貢献していきます。
一般財団法人オタクコイン 公式サイト コンセプトペーパー

一般財団法人オタクコイン協会は、オタク文化の維持・発展のために様々な試みを行っているようです。
こちらのNFTは、100枚限定で発行、1枚1万円からオークション形式で販売され、平均して約7万円ほどの価格で落札されました。
もともとフルオンチェーンNFTではなかったそうですが、フルオンチェーンNFTとして発行し直し、オリジナル・オタクコインNFT所有者に送付されたようです。

フルオンチェーン化したオリジナル・オタクコインの発行と送付にガス代が150万ほどかかったそうです…
CyberBrokers(サイバーブローカーズ)

このツイートにあるように、CyberBrokersNFTに因んだ物語がHPで公開されています!
上部ツイート画像は、CyberBrokers(サイバーブローカーズ)と呼ばれているフルオンチェーンNFTのキャラクター画像です。
CyberBrokersは、近未来的でスタイリッシュな衣装をまとったキャラクターNFTになります。
このNFTは全10001体発行され、1つ0.35イーサリアム(約10万円)で許可リスト(購入許可)保有者のみに販売され完売しました。

こんな多彩なイラストなのにフルオンチェーンでできてるなんてスゴイね!
オフチェーンNFTの仕組み
フルオンチェーンNFTはブロックチェーンにデータがすべて記録されたものでした。
オフチェーンNFTはフルオンチェーンNFT以外のNFTを指します。
オフチェーンNFTには、大きく分けてサーバー型とIPFS方式があります。
IPFSとはInterPlanetary File Systemの略で日本語に訳すと「惑星間のファイルシステム」という意味になります。
IPFS方式の項目で詳しく説明しますが、簡易的なブロックチェーン技術だと考えてください。
サーバー型
サーバー型はWebページやネットサービスでよく使用される形で、サーバーと呼ばれる大規模なアクセスにも耐えられるパソコンにデータを保存します。

上がサーバー型のイメージ図となります。
ユーザーがサーバーにアクセスすることで画像や動画を見ることが可能になります。
ですので、サーバーに何らかの理由(故障、サービス終了など)でアクセス不能になれば、データは消滅してしまう恐れがあります。
サーバー型を採用するサービスでは、サーバーが複数用意されていたり、別々の場所に保存してあることもありますが、ブロックチェーンと比べればリスクは大きくなります。

サーバーに依存しているからサーバーを運営する企業にも注意しなくちゃいけないよ。
IPFS方式
比較的新しいネットワーク上にデータを保存する技術であるのがIPFS方式です。
分散型ストレージサービスと呼ばれているものの一種です。
P2P(複数のパソコン間で通信を行うこと)ネットワーク参加者のパソコンやスマホなどの空き容量にデータを保存するサービスのことです。
つまり、不特定多数のパソコンにデータを分散して保存することで故障や天災等のトラブルからデータを守ろうと言うものです。
ここまでの話だけを聞くとブロックチェーンと同じものに見えますが、IPFS方式は参加者全員にデータを保存するわけではありません。
下図のように、IPFS方式では一致するデータを保有する人からデータを共有してもらいます。

しかし、この方式には問題があります。
それは、所有者全員がオフラインになると、その間はアクセスできなくなってしまいます。

IPFS方式では、データを所有する人が少ない場合にはブロックチェーンの様な永続性は得られないんですね。

データにアクセスする人が一定以上見込めるものに関しては、ブロックチェーンよりも安価で同等の性能を得ることができる、ということだね!
データ保存の方式としては、サーバー型≦IPFS方式<ブロックチェーンの順で信頼性が増していきます。
この様にデータの保存場所の違いによっても厳密に言えばNFTの種類は分けられます。
NFTの種類の違いで起こる問題点
世界最大手NFTマーケットプレイスの「OpenSea」があります。
そこで代表的に、取り扱われているブロックチェーンが「Ethereum(イーサリアム)」と「Polygon / MATIC(ポリゴン)」です。
どちらもOpenSea内ではメジャーな仮想通貨ですが、イーサリアムとポリゴンで発行されるNFTは種類が違います。
- 種類の違うNFTでは互換性がない(NG:イーサリアム⇔ポリゴン)
- 対応していないサービス以外では使用することができない
なので、NFTを運用するにあたってブロックチェーンの選定で迷っている場合には、最も普及しているイーサリアムでNFTを発行することがおすすめです。
次に、問題点について解説していきます。
種類の違うNFTでは互換性がない
例えば、イーサリアムのブロックチェーン上で発行したNFTをポリゴンのブロックチェーンに移動させることはできません。
もちろん、取引することもできないです。
稀に、NFTを意図していないブロックチェーン上で発行してしまい、規約によって他のブロックチェーンで発行できなくなるパターンがあります。
NFTを発行する前には、利用するサービスの規約に目を通してみてください。
しかし、こうした不便を解消するため、いくつものブロックチェーンでNFTを使用できるようにするためのサービスが展開されつつあります。

どこでも同じNFTが使用できると良いですね!
対応していないサービス以外では使用不可
NFTには、ブロックチェーンにより様々な種類があります。
一例を取り上げると、モバイルアプリメッセンジャーで幅広く利用されている「LINE」のNFTサービス「LINE NFT」があります。
LINE NFTでは、LINE独自のブロックチェーンを活用してNFTを発行しているため、他のNFTマーケットプレイスOpenSeaなどでは、使用することができません。
もちろん、OpenSeaなどのNFTをLINE NFTで使用することもできません。
NFTサービスで利用したいものが決まっている場合には、そのサービスに対応したブロックチェーンでNFTを発行する必要があります。
フルオンチェーンNFTの作り方
ここからは、フルオンチェーンNFTを簡単に作成することができるサービスをご紹介します。
NFT-Drive
『NFT-Drive』では、ブロックチェーンの新しいサービス開発や運用に優れた、仮想通貨シンボル(XYM)のブロックチェーンを活用しています。
このサービスは、デジタルデータをフルオンチェーンNFTにして、NFT-Driveから提供されているプレビューアプリでNFTを閲覧することができるものです。(NFTの取引機能は今後搭載予定のようです。)
対応しているファイル形式は豊富で、アーカイブ目的であれば、すべてのデジタルデータをフルオンチェーンNFTとして扱うことが可能なようです。
- 画像:GIF、JPEG、PNG、SVG
- 音楽:MIDI、MP3
- 動画:MP4
- その他:テキスト、PDF、HTML(CSS Javascript)
※サービスで動作確認済みのファイル形式です。
※アーカイブ目的であれば、すべてのデジタルデータを対象としています。
サービス利用料として、10MBのデータをフルオンチェーンNFTにする場合には、おおよそ2,624XYM(2022年8月換算 日本円で約15,000円)かかるとされています。

なかなかの金額です…

イーサリアムでフルオンチェーンNFTを作成しようとすると、ガス代(手数料)だけで何十万もかかることがあるよ。
イーサリアムと比べて見ると、NFT-DriveでフルオンチェーンNFTを作成した方が格段に安く作ることができます。
ただし、シンボルのブロックチェーンを利用して作成される点には、イーサリアムとの相互性がないことを考慮して利用しなくてはいけません。
しかし、サービス内容は公式サイトで分かりやすく説明されていて、フルオンチェーンNFTをテスト環境で発行することもできるので、お試しに利用してみることもおすすめです!
なお、こちらのサービスを利用するためには、シンボルを購入してウォレット(デジタル上の財布)へ送付しなければいけません。
仮想通貨を扱うためのおすすめ国内仮想通貨取引所を他の記事でまとめていますので、よろしければどうぞ。

COMSA
『COMSA』は、仮想通貨シンボル(XYM)のブロックチェーンを利用しているフルオンチェーンNFTを発行・販売できるサービスです。
フルオンチェーンNFTの取引がこのサービス内で完結するようになっており、扱えるデータは下記です。
- 画像:GIF、JPEG、PNG、SVG
- 音楽:MP4、MP3、WEBM
- 動画:MP4、WEBM
フルオンチェーンNFT発行手数料は、1MBにつき200XYM(日本円で約1200円)で、上限は20MBのようです。
加えて、販売手数料で7.77%、出品手数料で2XYM(日本円で約12円)など、各手数料がかかるようになっています。
けれども、日本国内のサービスで日本語対応であること、クレジットカード決済に対応していることなどの利点もたくさんあります。
さらに、COMSAの利用者の中には、お笑い芸人「たむらけんじ」さん、「次長課長 こうもとじゅんいち」さんがいます。
たむらけんじさんのNFTは世界初ギャグNFTとされ、約167万円で落札されました。
フルオンチェーンNFTを手軽に発行して販売してみたい、フルオンチェーンNFTを所持してみたいという方には、もってこいのサービスです!

公式サイトスタートガイドで、アカウント発行方法から取引まで、丁寧に説明してあって、NFTが初めてでも簡単にできそうだね!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は「NFTの種類」についてお話させていただきました。
- フルオンチェーンNFTとは、ブロックチェーンにすべての情報が記録されているNFT
- NFTには、大別するとフルオンチェーンとオフチェーンがある
- 技術力や資金があるならフルオンチェーンNFTが断然おすすめ!
世間で言われているNFTには、フルオンチェーンNFTやNFTを発行するブロックチェーンの違いなどにより、いくつかの種類に分かれていることがわかりました。
この機会に、購入する、または購入していたNFTがフルオンチェーンかどうか調べてみるのも面白いです。

フルオンチェーンNFTであれば発行者が説明文などに記載していることが多いよ。自力で調べるなら、NFTの作品データをどこから持ってきたのか確認しなくちゃいけない。

SVG、コントラクトアドレス、token ID=1、目眩がします…

やれやれ(笑)
また、NFTを発行している・したいと考えているクリエイターの方は、是非フルオンチェーンNFTに挑戦してみてください。
購入するにしても、発行するにしても良い体験になるはずです!
TechMoire(テックモワ)ではNFTやメタバースを中心に情報を発信しております。
もしよければ、Twitterのフォローなどもよろしくお願いします。
一緒にメタバース・NFT界隈を盛り上げていきましょう!

それでは、ありがとうございました!
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