【シン・NFT】フルオンチェーンNFTの仕組みと種類を解説！ガス代も簡単に紹介！

フルオンチェーンNFTとは、ブロックチェーン上にすべてのデータ（画像、テキスト）が記入される最も永続性と純度の高いNFTです。

フルオンチェーン以外のNFTは『オフチェーン』といい、画像データなどは別のサーバーに格納されていることが多いです。

フルオンチェーンは、外部要因によって大切な資産（NFT）が失われる可能性が限りなく低くなります。

たとえばオフチェーンNFTのとき、運営元が「倒産」「ラグプル（詐欺）」「ハッキング」を受けたとき、NFTの画像データが見えなくなる！みたいなこともありえます。

つまりほぼ100%、永遠に残り続けるデジタル資産、それがフルオンチェーンNFTです！詳しい説明は後述させていただきます！

フルオンチェーンNFTを発行・取引する際に仮想通貨イーサリアムなどが必要になることがあります。

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フルオンチェーンNFT

仕組み

冒頭ではざっくりと説明しましたが、ここからは詳しく説明させていただきます。

NFTは大きく分けて2つあります。（大分類）

NFTはその仕組みからブロックチェーン上にすべてのデータがあると思いがちです。

しかし実際には、多くのNFTがオフチェーンであり、ブロックチーン上に「画像データなどを参照するためのURL」を記録しているだけです。

オフチェーンは画像データなどはNFTプロジェクト側が管理している外部サーバーに保存していています。

仮に外部サーバーがシステムダウンや契約解除したときは画像などが参照できなくなり、メタデータ（※）のみが残ることになります。

メタデータとは・・・データの情報という意味があり、NFTであれば、そのNFTの名前、説明、データ（画像や動画など）等のデータの情報のことを指します。

ざっくりと、フルオンチェーンNFTとオフチェーンNFTの違いを見ていきます。

	フルオンチェーン	オフチェーン
データの改ざん	かなり難しい	比較的容易
扱えるデータ	約48kb（イーサリアムチェーン）	利用する保管方法による
永続性	かなり高い	保管場所・方法によるが低い

イーサリアムチェーンとは・・・仮想通貨イーサリアムのブロックチェーンのことであり、多くの有名なNFTはイーサリアムチェーンで発行されています。

フルオンチェーンNFT：メリット

NFTをフルオンチェーンNFTとして発行するメリットを掘り下げていきましょう。

NFTが永続的に残る

NFTを説明する際にブロックチェーンであるから永続的に残るという、うたい文句があります。

しかし世の中に出回っている多くのオフチェーンNFTはサーバーに作品が保管されているので、上記には該当しませんでした。

フルオンチェーンNFTであれば、永続的に残る可能性がかなり高くなります。

ブロックチェーンとは、簡単に説明すると世界中のパソコンにデータを分散させてデータを取り扱おうというものです。

さらにフルオンチェーンNFTは、永続性やデータの改ざんの難しさから見ても頭一つ優れています。

イーサリアムチェーンで作られたフルオンチェーンNFTは、イーサリアムチェーンがこの世から無くならない限り永続的に残り続けるNFTです。

付加価値が上がる

フルオンチェーンNFTには、永続性やデータの改ざんの難しさが備わっているため、オフチェーンNFTより付加価値が上がります。

上記以外の要因としては、フルオンチェーンNFTを発行するには専門的な技術力や高価なガス代（ブロックチェーンを使用する手数料）が必要だからです。

そのため、フルオンチェーンNFTを発行すること自体に高いハードルがあり、付加価値に繋がります。

フルオンチェーンNFT：デメリット

扱えるデータサイズが小さい

執筆時点では、イーサリアムブロックチェーンに一度に書き込めるサイズの上限は約48KBとかなり小さいデータ量となっています。

ちなみに、48KBという容量は、日本語に換算すると約2.5万文字のデータしか保存できません。

一見多そうに見えますが、短編小説が約3.2万〜6.5万文字とされていますので、短編小説すら扱えないくらいのデータ量になります。

ですので、写真やイラスト、動画などは余程データを小さくする処理をしなければフルオンチェーンNFTにはできません。

有名なNFT作品には、ドット絵を採用しているものが度々見られます。

その理由は、48kbという少ないデータサイズでもドット絵であれば、アート作品として扱えることがあるからです。

上図は、Nouns（ナウンズ）と呼ばれているフルオンチェーンNFTです。

詳しい説明は割愛させてもらいますが、フルオンチェーンNFTとするためにデータサイズを小さくする処理をしています。

ナウンズのNFTプロジェクトを詳しく知りたいあなたは「Nouns DAO（ナウンズ ダオ）」をやさしく解説【関連プロジェクトも紹介】をどうぞ！

専門的な技術力が必要

フルオンチェーンNFTは、扱えるデータサイズがとても小さいことに加え、ブロックチェーンの専門的な技術力も必要になります。

OpenSeaなどのNFTプラットフォームを利用してNFTを発行するときには、多少専門的な知識（仮想通貨の取扱方法やガス代など）は必要です。

オフチェーンNFTのとき、概ねネット上で商品を販売するのと同じ様にNFTに関する情報を登録していき安い手数料で発行ができます。

しかし、フルオンチェーンNFTを発行しようとするとなると話が違ってきます。

フルオンチェーンNFTを発行するサービスもありますが、高額なガス代に加え、サービスの手数料もかかるのです。

さらに、そのNFTが本当にフルオンチェーンであるかどうかを調べる知識が必要です。

また、サービスを利用しないときにはブロックチェーンに直接データを書き込む必要があります。

かなり端折った説明をするとプログラミングをしなくてはなりません。

オフチェーンNFTの発行方法は『【OpenSea】ポリゴン / マティック （Polygon / MATIC）でNFT出品』からどうぞ！

フルオンチェーンガス代（ミント・発行時）

わたしの経験談ですが、フルオンチェーンNFTの発行する時のガス代は最低でもオフチェーンNFTの1.5～2倍ほどかかります。

ただし、ガス代はブロックチェーンの混み具合や仕様の変更で大きく変動します。

しかし、フルオンチェーンNFTの発行時にどれだけガス代がかかるかは発行時に表示されるのです。

加えて、発行時にガス代が想像以上に高かったときには「拒否（キャンセル）」をすることができます。

時間帯などの要因によって、ガス代は変わります。

ガス代が高いときは、時間をずらして再度購入手前で確認するのがおすすめです！

フルオンチェーンNFTを入手・発行するためには仮想通貨イーサリアムを使用することが多いです。

仮想通貨の購入でも手数料を抑えるためにビットバンクでの取引がおすすめになります！

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フルオンチェーンNFT実例 5選

１｜CryptoPunks（クリプトパンクス）

Punks in NYC pic.twitter.com/1uezoh7VlW

— CryptoPunks (@cryptopunksnfts) June 20, 2022

CryptoPunks（クリプトパンクス）は2017年6月に発行された1万点の人の顔のドット絵アートNFTです。

最古のNFTの１つであり、かつ、フルオンチェーンNFTでもあります。

クリプトパンクスがドット絵である理由はフルオンチェーンにするために画像の容量を抑えるためです。

また、大手カード決済会社Visaは上記NFTを約1,700万円で購入しています。

２｜オリジナル・オタクコインNFT

『オリジナル・オタクコイン』フルオンチェーンに❗

12/15(水)23:59時点の所有者に
フルオンチェーン版『オリジナル・オタクコイン』が無償配布されます😄

【🎉フルオンチェーン記念🎊】
抽選で1名様にスピニング・オタクコインを贈呈🎁

応募方法は
この投稿に #OnChain をつけ引用RT👍
12/6迄 pic.twitter.com/JD8lYK7zGW

— オタクコイン協会 (@OtakuCoinCom) November 30, 2021

オリジナル・オタクコインNFTは一般財団法人オタクコイン協会が発行するフルオンチェーンNFTになります。

新しい経済民主化の仕組みであるブロックチェーン技術を用いたオタクコインを活用して、世界中のファンとクリエイターと関連企業をシームレスかつ密接に繋げ、オタク文化（アニメ・漫画・ゲームなどのコンテンツや、それを中心にした創作・コミュニティ活動、付帯する活動などすべて）の維持・発展に貢献していきます。

一般財団法人オタクコイン 公式サイト　コンセプトペーパー

こちらのNFTは、100枚限定で発行1枚1万円からオークション形式で販売され、平均して約7万円ほどの価格で落札されました。

もともとフルオンチェーンNFTではなかったそうですが、フルオンチェーンNFTとして発行し直し、オリジナル・オタクコインNFT所有者に送付されたようです。

３｜CyberBrokers（サイバーブローカーズ）

CyberBrokers（サイバーブローカーズ）は2022年3月に10001体発行されたフルオンチェーンNFTです。

サイバーブローカーズは、近未来的でスタイリッシュな衣装をまとったキャラクターのNFTになります。

サイバーブローカーズを立ち上げたアーティストは「JosieBellini」氏で、金融業界でのキャリアを持ち合わせてながらもアーティストでの実績も兼ね備えたベテランです。

４｜Isekai Battle

Isekai Battleは、なつかしいRPGゲームを思わせるキャラクターNFTを使って遊ぶフルオンチェーンNFTです。

2022年6月に全部で6,500体のキャラクターNFTが発行されました。

ゲームを遊ぶためには、キャラクターNFTが最低3体必要であるため敷居が若干高くなっています。

しかし、遊ぶことでNFTを入手することができるP2E（プレイ・トゥ・ア－ン）なので、稼ぐこともできると期待されています。

P2Eとは・・・遊んで稼ぐことができるゲームで、遊ぶことにより仮想通貨やNFTなどを入手することができます。それを取引したりすることで稼げるオンラインゲームです。

５｜Crypto Ninja Nouns（クリプト ニンジャ ナウンズ）

「Crypto Ninja Nouns（通称：CNN）」は、日本の最も有名なNFTである「CryptoNinja」の派生プロジェクトです。

さらにCNNは、世界でも有名な「Nouns DAO（ナウンズ ダオ）」と呼ばれる「フルオンチェーン」かつ「DAO（分散型自立組織）」の良いとこどりをしたハイブリットNFTプロジェクトを元にしています。

DAO（分散型自立組織）とは・・・新しいコミュニティの形で、一般的に国や会社のように特定のリーダーや権力者がいません。コミュニティのルールに従い、参加者全員が平等に活動できる組織です。

CNNでは販売されたNFTの売り上げをトレジャリーウォレット（みんなのお財布）に保管されます。

トレジャリーウォレットの資金を使いたいときは、CNN保持者がコミュニティ対して資金の使い道を提案をすることができます。

そしてCNNが投票券となって採決がされ、コミュニティでその売り上げの使い道を決めるのです。

その提案がコミュニティの多数決によって可決されることで、資金が分けられる仕組みです。

オフチェーンNFTの仕組み

フルオンチェーンNFTはブロックチェーンにデータがすべて記録されたものでした。

オフチェーンNFTはフルオンチェーンNFT以外のNFTを指し、データを保管する場所に大きな違いがあります。

IPFSとは、InterPlanetary File Systemの略で日本語に訳すと「惑星間のファイルシステム」という意味になります。

IPFS方式の項目で詳しく説明しますが、簡易的なブロックチェーン技術だと考えてください。

サーバー型

サーバー型はWebページやネットサービスでよく使用される形で、サーバーと呼ばれる大規模なアクセスにも耐えられるパソコンにデータを保存します。

ユーザーがサーバーにアクセスすることで画像や動画を見ることが可能になります。

ですので、サーバーに何らかの理由（故障、サービス終了など）でアクセス不能になれば、データは消滅してしまう恐れがあります。

サーバー型を採用するサービスではサーバーが複数用意されていたり、別々の場所に物理的に距離を離して保存してあることが一般的です。

しかし、十分に分散しているブロックチェーンと比べればリスクは大きくなってしまうのです。

IPFS方式

比較的新しい方式であり、ネットワーク上にデータを保存する技術であるのがIPFS方式です。

分散型ストレージサービスと呼ばれているものの一種です。

分散型ストレージとは・・・P2P（複数のパソコン間で通信を行うこと）ネットワーク参加者のパソコンやスマホなどの空き容量にデータを保存するサービスになります。

つまり、不特定多数のパソコンにデータを分散して保存することで故障や天災等のトラブルからデータを守ろうと言うものです。

ここまでの話だけを聞くとブロックチェーンと同じものに見えますが、IPFS方式は参加者全員にデータを保存するわけではありません。

下図のように、IPFS方式では一致するデータを保有する人からデータを共有してもらいます。

しかしこの方式では、データの所有者全員がオフラインになると、その間はアクセスできなくなってしまいます。

データ保存の方式としては、サーバー型≦IPFS方式＜ブロックチェーンの順で信頼性が増していきます。

この様にデータの保存場所の違いによっても厳密に言えばNFTの種類は分けられるのです。

NFTの種類の違いで起こる問題点

世界最大手NFTマーケットプレイスの「OpenSea」があります。

そこで代表的に、取り扱われているブロックチェーンが「Ethereum（イーサリアム）」と「Polygon / MATIC（ポリゴン）」です。

どちらもOpenSea内ではメジャーな仮想通貨ですが、イーサリアムとポリゴンで発行されるNFTは種類が違います。

なので、NFTを運用するにあたってブロックチェーンの選定で迷っているときには、最も普及しているイーサリアムでNFTを発行することがおすすめです。

種類の違うNFTでは互換性がない

例えば、イーサリアムのブロックチェーン上で発行したNFTをポリゴンのブロックチェーンに移動させることはできません。

もちろん、基本的にブロックチェーンを跨いだ取引をすることもできないです。

稀に、NFTを意図していないブロックチェーン上で発行してしまい、規約によって他のブロックチェーンで発行できなくなるパターンがあります。

NFTを発行する前には、利用するサービスの規約に目を通してみてください。

しかし、こうした不便を解消するため、いくつものブロックチェーンでNFTを使用できるようにするためのサービスが展開されつつあります。

参考：PRTIMES 公式サイト NFTをコンテンツサービス間で相互利用するための共通仕様「Oct-Pass」を、ブロックチェーンコンテンツ関連企業4社で共同策定。GO BASEが発行するNFTのオフチェーン利用を促進。

対応していないサービス以外では使用不可

NFTには、ブロックチェーンによっても様々な種類があります。

一例を取り上げると、モバイルアプリメッセンジャーで幅広く利用されている「LINE」のNFTサービス「LINE NFT」があります。

LINE NFTでは、LINE独自のブロックチェーンを活用してNFTを発行しているため、他のNFTマーケットプレイスOpenSeaなどでは使用することができません。

もちろん、OpenSeaなどのNFTをLINE NFTで使用することもできません。

NFTサービスで利用したいものが決まっているときには、そのサービスに対応したブロックチェーンでNFTを発行する必要があります。

フルオンチェーンNFTの作り方

ここからは、フルオンチェーンNFTを簡単に作成することができるサービスをご紹介します。

NFT-Drive

『NFT-Drive』では、ブロックチェーンの新しいサービス開発や運用に優れた、仮想通貨シンボル（XYM）のブロックチェーンを活用しています。

このサービスは、デジタルデータをフルオンチェーンNFTにして、NFT-Driveから提供されているプレビューアプリでNFTを閲覧することができるものです。（NFTの取引機能は今後搭載予定のようです。）

対応しているファイル形式は豊富で、アーカイブ目的であれば、すべてのデジタルデータをフルオンチェーンNFTとして扱うことが可能なようです。

サービス利用料として、10MBのデータをフルオンチェーンNFTにするときには、おおよそ2,624XYM（2022年8月換算 日本円で約15,000円）かかるとされています。

イーサリアムと比べて見ると、NFT-DriveでフルオンチェーンNFTを作成した方が格段に安く作ることができます。

ただし、シンボルのブロックチェーンを利用して作成される点には、イーサリアムとの相互性がないことを考慮して利用しなくてはいけません。

しかし、サービス内容は公式サイトで分かりやすく説明されていて、フルオンチェーンNFTをテスト環境で発行することもできるので、お試しに利用してみることもおすすめです！

なお、こちらのサービスを利用するためには、シンボルを購入してウォレット（デジタル上の財布）へ送付しなければいけません。

仮想通貨を扱うためのおすすめ国内仮想通貨取引所を『【初心者向け】国内仮想通貨取引所おすすめランキング6選！注意点や見るべきポイントも紹介します！』でまとめていますので、よろしければどうぞ。

参考：NFT-Drive 公式サイト

COMSA

『COMSA』は、仮想通貨シンボル（XYM）のブロックチェーンを利用しているフルオンチェーンNFTを発行・販売できるサービスです。

フルオンチェーンNFTの取引がこのサービス内で完結するようになっており、扱えるデータは下記です。

フルオンチェーンNFT発行手数料は、１MBにつき200XYM（日本円で約1000円）で、上限は20MBになっています。

加えて販売手数料で7.77％、出品手数料で２XYM（日本円で約10円）など、各手数料がかかるようになっています。

けれども、日本国内のサービスで日本語対応であること、クレジットカード決済に対応していることなどの利点もたくさんあるのです。

さらにCOMSAの利用者の中には、お笑い芸人「たむらけんじ」さん、「次長課長　こうもとじゅんいち」さんがいます。

たむらけんじさんのNFTは世界初ギャグNFTとされ約167万円で落札されました。

フルオンチェーンNFTを手軽に発行して販売してみたい、フルオンチェーンNFTを所持してみたいというあなたには、もってこいのサービスです！

フルオンチェーンNFTのよくある質問

【結論】NFTは1種類ではなく「フルオンチェーンとオフチェーン」さらにブロックチェーンごとに分かれ無数の種類がある

世間で言われているNFTには、フルオンチェーンNFTやNFTを発行するブロックチェーンの違いなどにより、いくつもの種類に分かれていることがわかりました。

この機会に、購入する・または購入していたNFTがフルオンチェーンかどうか調べてみるのも面白いです。

また、NFTを発行している・したいと考えているクリエイターの方は、是非フルオンチェーンNFTに挑戦してみてください。

購入するにしても、発行するにしても良い体験になるはずです！

そのためには、NFTに対応した仮想通貨が必要なケースが一般的です。

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